私がトーラーに急接近出来たのは病気で入院した時期であったが、それはほんの閃きに過ぎなかった。丁度同じ頃娘からタブレット端末を誕生日プレゼントで贈られた。閃きを必死になってタブレットのメモに書き留める事が出来たのが始まりだったと記憶する。しかし、同時に日常生活に於ける老化は更に激しく襲いかかり短期記憶の急激な減退と言うか、老化は激しかった。トーラーについての閃きがあっても短い記憶力では自分の考えた事も風に舞う木の葉のようであった。そこで必死になって記憶の定着を心掛けて反芻したのだった。その後は最初の閃きをも反芻し直し、閃きの形を素描して、型を造った。漸く閃きの状態から脱して他者に通じる筈の言葉を獲得して行ったのである。 |
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