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2016年3月10日木曜日

272)文化圏の拡散と観念形式の拡散

世界観を含めて文化の総体は瞬く間に古代世界を席捲したと思われるが、その証拠は十分残っているわけでは無い。唯一、アレキサンダーの築いた帝国がヘレニズム国家として置き土産の様に制度毎残した痕跡がアジアにもあった。ヘレニズム国家はどう言う訳か行く先々で新しい宗教と出会うとそれらを具象化して像を残した。それがキリスト教と仏教であった。どちらも伝統的には像を残さない文化圏に属していたが、ヘレニズムは寝ている子供を起こしてしまった様だ。どちらも像を作り上げてしまったのだ。その文化は勿論日本にも伝わった。ヘレニズムはユダヤ教の揺らぎを引きちぎってキリスト教に仕立て直し、ヒンヅー教と出くわして仏像文化を広めた。こうして俄かには理解し難い思想を薄っぺらな形に延ばして急速に拡める役目を果たした事を証明したのだろう。同時に観念の様式も言葉と共に伝わったと言えるのだろう。トーラーが繊細にも分離した概念「知識(アプリオリ領域)」と「生命(アポステリオリ領域)」との区分は蔑ろになって伝わったのであろう。

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